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第324話

追いかけるように慌てて出てきた翔に、バスローブを羽織らされ、ドライヤーを当ててもらい、そのまま横抱きにされて、また寝室へ逆戻りした。 おそらくドロドロに汚れたであろうシーツも、新しいものに替えられていて、その上に座らされた。 冷えたワインが用意され、乾いた喉を潤す。 至れり尽くせりのサービスに、ツンケンとした態度を取っていた俺は吹き出してしまった。 そんな俺を見ていた翔が突然抱きついてきて、その弾みで空になったグラスがシーツの上に転がった。 「もー、危ないじゃねーかっ。割れたらどうするんだよっ! 中身も空っぽだからいいけど、ばかっ!」 「んー、くっ付きたい。すりすりしたい。 堪んねーよ。智…喰っちまいたい…」 上から のしかかられて、身動きができない。 「うー、重い…潰れる…」 ぺしぺしと胸を叩くと、翔はやっと膝で自分の身体を支えたけれど、至近距離でくっつかれてドギマギする。 「もう…わかったから…」 甘えるように胸に擦り付くと、翔は俺のバスローブの紐をしゅるりと外し片袖ずつ脱がせて、反転すると腕枕をして抱き込まれた。 その状態で、もぞもぞと器用に自分のバスローブをベッドの下に脱ぎ捨てた。

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