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第331話

着替えて鏡の中の自分を見る。 襟元を持って身体を斜めに、横になってチェックする。 サイズもピッタリ。うん、満更でもない。イイ感じ。 翔に見せたらなんて言うだろう… 1・2・3でカーテンを開けると、そこにはイケメン全開の俺のダンナが立っていた。 「智…キレイ…言葉になんねぇ…」 「翔だって…かっこよすぎて…」 頬を染めて見つめ合う俺たちに 「あぁ、やっぱりすごくお似合いですね! 私の見立てに狂いはなかったようです…」 遙さんが、ほぅという溜息とともに褒めてくれた。 隼人さんと顔を見合わせてうれしそうに微笑んでいる。 ん?見立て?ということは… 「ええ、そうです。 私がお二人に似合うと思って選んだのがこの二着。 第一印象ですぐに お手に取ってくださってホッとしました。 フロックコートの裾の長さは、新婦様のヴェールに見立てて。 新郎様用のタキシードの胸元の刺繍は、華やかさと愛する人を守る決意を。 あぁ、本当に素敵ですよ。なぁ、隼人。」 「本当に。このまま、うちのモデルになって欲しいくらいだ。」 「さとし と しょう、おうじさまみたーい! かっこいい!!」 凛からもお褒めの言葉をいただいたぞ。 「「俺達、この衣装でお願いします!」」

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