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第332話

「あの…遙さん… わざわざ俺達のために仕入れて準備して下さったんですか?」 「気にしないで! これ着てもらえたらうれしいな ってピンときたのが見つかったから。 そして、それをドンピシャで選んで下さったから、もう感激しちゃって、うれしくって。 あー、この仕事選んでよかったーって思う瞬間の一つかな。 お二人とも理想的なサイズだから、お直しするとこもないみたいだね。」 遙さんがあちこち引っ張ったり入れ込んだりして調整してくれる。 確かにオーダーしたみたいにぴったりと馴染んでる。 ちょっとキラキラ過ぎて恥ずかしいけど。 「おい、翔、翔!何ぼーっとしてるんだよっ!」 「…智がカッコよくてステキすぎて…見惚れてた…」 「何小っ恥ずかしいこと言ってんだよっ。 ばかっ」 「…なんか俺…泣きそう…」 「(クスクス)はいはい、泣くのはお式の当日まで我慢しましょう。 衣装も決まったことですし、これで一安心ですね。 凛ちゃんのドレスと合わせて、ちゃんとキープしておきますから。」 俺達のやり取りを遙さんに笑われた。 着替えを済ませると部屋へ案内され、コーヒーを勧められた。 緊張してたのか喉がカラカラで、ありがたく頂戴する。 「隼人さん、遙さん、俺達、これからもいろんなことにぶつかっては迷ったり挫けたりすると思います。 そんな時、プライベートなことですが、相談に乗って頂くことはできますか?」 「もちろんですよ!お二人でも、お一人で別々でも。いつでもいらっしゃい。」 「「ありがとうございます!!」」 ホッとして泣きそうになりながら、お礼を言って帰宅の途に着いた。

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