337 / 516

第339話

side:智 「「ただいまー」」 あれ?部屋真っ暗だ。翔は今日、仕事だったっけ? 「あれ?しょう、いないねぇ。おしごと?」 「んー、今日はお昼だったはずなんだけど… 晩ご飯用意してあるな…どこ行ったんだろう… アイツらのこと話そうと思ってたのに。」 あ…携帯… 『ごめん、急に仕事になった。 なるべく早く帰るから、先に食べててくれ。 智、愛してるよ(ハートマーク)』 『わかった。じゃあ先にいただきます。 気を付けて。 俺も愛してるよ(ハートマーク)』 うっわー、自分で送っといて、なんか恥ずかしい… この『ハートマーク』の絵文字が、特に。 「翔、急な仕事で出て行ったんだ。先に食べといてって。 さあ、手を洗っておいで。」 「はーい。」 最近ずっと三人揃っての食事だったから、なんか物足りない。 翔の存在ってデカ過ぎる。 テレビを見ながら凛と食事と後片付けを済ませても、翔はまだ帰ってこない。 久し振りに凛と一緒に風呂に入り、散々遊んだ後、今日は俺一人の『お休みのちゅー』をして凛は部屋に行った。 翔の代わりに明日の朝ご飯の準備でもしとくか… 以前なら一人でいることになんら抵抗はなく、平気だったのに、今では一人が寂しくて堪らない。 手持ち無沙汰で膝を抱えてソファーで丸くなる。

ともだちにシェアしよう!