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第341話

なんか…ツバメかスズメの子供みたい…かっわいいー。 俺、お母さん!? 何度か繰り返して翔が首を横に振った。 ご馳走様ってことね。 お茶を飲ませてから、横になるのを手伝ってやった。 「智、ごめん。明日の朝メシと弁当」 「大丈夫だよ。もう朝ご飯の準備もできてるから。 翔はゆっくり休みな。 明日は予約なかっただろ? 俺は…ごめん、仕事休めないんだ。 早退できたら帰ってくるけど、一人で寝てられるか?」 「…うん。大丈夫。」 「その代わり、今夜は側にいてやるから。 辛かったら言うんだぞ。」 「…ん」 翔の首筋に手を当てるとカイロみたいに熱い。 しんどいだろうな。 よくこんなんで仕事してきたよな… そのうち、小さな寝息が聞こえてきた。 よかった。寝付けたんだ。 トレーを持ってそっと部屋を出て片付けると、自分の掛布団を持って翔の部屋に戻った。 いつもより少し早めのアラームをセットして、肩から布団を被って翔の顔が見える位置に座る。 前髪をそっと上げてみると、長い睫毛が震えてる。 吐く息は熱く、苦しそうだ。 布団からはみ出してる手を握ると…じっとりとして熱い。 早く元気になーれ 願いを込めて、ちゅ と手の甲にキスした。

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