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第342話

side:翔 喉乾いた… 身体べたべたする…気持ち悪い。着替えなきゃ… ん?手…智!?…俺の手を握って寝てる。 ずっと付いててくれたんだ。 起こさないようにそっとその手を外し、ベッドから降りると、音を立てないように着替え一式を持ってバスルームへ向かう。 途中、冷蔵庫からペットボトルの水を取り出して半分一気飲み。 さっきよりずっと気分もいいし、熱も下がったみたいだ。 めっちゃ汗かいてたし、それで下がったんだな。 腹も減った。風呂出たら、智が作ってくれたおかゆ食べよう! 現金なもんだな、あんなに調子悪かったのに。 シャワーを浴びて、湯船に浸かるとホッとした。 仕事に差し支えなくてよかった。 智と凛に移らなければいいんだが。 あぁ、明日の朝メシも弁当の準備も智がしてくれてたんだな。 体力を消耗しないように早めに上がる。 水分補給を済ませて、おかゆもきれいに平らげて、人心地ついた。 そうだ、智をベッドで寝かさなきゃ。 俺のシーツも布団も汗で湿ってるし…どうしよう、智の部屋に連れて行くか… 「翔?どうした?気持ち悪い?」 「あっ、智。ごめん、起こしたか? 汗かいて気持ち悪くて目が覚めてさ、今シャワー浴びてきた。 熱も下がったみたいだし、お腹空いて、お前が作ってくれたおかゆ全部食っちまったよ。 ありがとな。」 「少しでも楽になったならよかった。 俺のとこで寝るといいよ。お前のシーツ替えとくからさ。 俺の布団すぐ持ってくから。」

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