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第343話

俺の手を引いて自分のベッドに寝かせると、布団を移動し俺に掛け、テキパキと俺のシーツとカバーを替えてくると、水を飲ませてくれた。 「下がったばかりだから、まだ無理はできないよ。 ちょっと狭いけど、いい子で寝てね。」 するりと俺の横に潜り込んで頭を撫でてくれる。 その心地良さにうっとりと目を閉じると 「翔、お休み…早く元気になってね…」 優しくささやかれて、髪の毛にそっとキスを落とされた。 ほんわりと温かな智を感じながら、幸せな気分のまま いつの間にか眠りに落ちていった。 翌朝… 昨日の熱は何処へやら、すっかり体調の戻った俺は、スッキリ爽やかに目が覚めた。 ん?隣にいたはずの智の姿はなく、シーツもヒンヤリとしている。 ベッドから起き出すと、キッチンから賑やかな声がしている。 「ほら、凛!お箸と湯呑み持って行って!」 「はーい!」 「弁当箱の蓋も閉めてくれる?」 「らじゃー!」 おやおや、俺の代わりに大奮闘してるんだな。 「おはよー!」 「あ、翔おはよう!ダメじゃないか、寝てなきゃ。 はい、布団に直行!凛、連れて行って!」 「はーい!ほら、しょう、いうこときいて!」 凛に連行されて仕方なくベッドへ戻った。 ばふばふと布団を叩かれて 「しょうはおりこうさんでねててね。 さみしくなったら、さとし と りん のことおもいだして、がんばるのよ!」 可笑しすぎる。

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