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第345話

ぼんやりと…目が覚めた。 えーっと…今、何時だ?13:25…あれからずっと寝てたのか…寝汗で着ているものがびっしょりだ。 起き上がってサイドテーブルを見ると、朝、俺が食べた後の食器がない。 智が片付けて行ってくれたのか。 そのまま熱を測ってみた。…36.7。平熱にもどっている。 ごそごそと起き出してキッチンを見ると綺麗に片付けてあって、テーブルの上に包んだ弁当箱と湯呑みが置いてあった。 一人用の鍋には、おかゆも作ってあった。 とりあえず洗面を済ませ、シャワー浴びて洗濯機を回してから、またキッチンに戻る。 包みを解いて蓋をあけると、小さな俵形のおにぎりと卵焼き、ささみのピカタとマカロニサラダ、きゅうりの酢の物にほうれん草の和え物が入っていた。 夕べも準備してたと言っていたが、早起きして頑張ったんだな。 ありがたくてうれしくて、じっと見ていたら腹の虫が鳴った。 いただきます と手を合わせて一口。 智の愛情が溢れているような気がした。 たまには病気で寝込むのもいいなと思いながら。 弁当もおかゆもペロリと平らげ、元気が戻ってきた。 そうだ、ラ◯ンしておこう! 『智、熱下がったよ。 弁当もおかゆも全部食べた。美味かったよ、ありがとう。 晩ご飯は俺が あるもので作っとくから、慌てなくていいからな! 智、愛してるよ(ハートマーク)』 速攻で既読が付いた。 『下がった?よかったよ。心配してたんだ。 仕事溜まってて早退できなかったし(泣) わかった!無理しないで。 翔、俺も愛してるよ(唇のマーク)』 おおっ!キスマークっ! 『ハグするウサギのスタンプ』 ん?既読無視…

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