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第350話
最近、俺と瑞季君は『のろけ大会』と称したランチタイムを楽しんでいる。
そこに峰も加わって、一方的に俺達ののろけ話を聞かされていたのだが、晴れて秋山と恋人同士になり昨日は三人で大盛り上がりに盛り上がったばかりだった。
でも、今日の峰は元気がない。
「峰君、なんか元気がないけど、どうしたの?
ひょっとして…もうケンカでもした?」
箸をつついて、もそもそと口を動かしていた峰の手がぴたりと止まった。
あー、瑞季君、ビンゴ!
ダメだよー、ストレートに言っちゃぁ…
「あいつがさ、お前らに自分のことぺらぺらと喋るなって…昨日それでケンカになってさ…
別にさ、恥ずかしいことなんて言ってないだろ?
ちょっとのろけてるくらいでさぁ。
俺だって、秋山のこと自慢したいんだよっ!
あいつがどんなにかわいいかとかさ、甘えてくる時なんて、天使だぞ、天使っ!」
涙目で峰が力説する。
峰…お前、残念な奴になってきてるぞ。
喋るなって言われたそばから秋山のこと言ってるじゃんか。
天使ってなんだよ、天使って!
あれは…どっちかって言うと、悪魔だよ。
そんなこと峰には言えねーけどな。
「で、ケンカって…」
瑞季君が突っ込む。
「なんで他人様に自分達のことをくっちゃべってるんだって。
小っ恥ずかしいだろって…
でも、俺は声を大にして言いたいんだぁー!!」
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