366 / 516

第368話

「あら、片岡君とこのイケメン君達… 峰君、元気にしてる?なんだか最近顔に締まりがないわよ。彼女でもできたんじゃない? えーっと…あなたが西條君の後に支店から呼び戻された…相沢君ね? 結婚しちゃったって、社内の女の子達、しばらく泣いてたわよ。」 うっ、鋭い… あははっ と豪快に笑うこの人は、泣く子も黙る庶務二課の女課長だ。 ストライプのシャツにブラックスーツ、ピンヒールでモデルばりのスタイルのこの美人は、仕事もデキる。 「もうそろそろ戻るところでした。」 「そう。ちょうどよかった。 あのタヌキから呼び出されたから、一緒に行きましょう。西條君一人でって言われたんだけど、あいつ何言い出すかわかんないから、付いていくわ。 うちの女の子達にも頼まれたしね。」 すっげぇ、男前…カッコいい! うちの会社の課長って、みんなカッコよすぎる。 「あ…はい。よろしくお願い致します。」 瑞季君が弁当箱を慌てて片付ける。 俺は優しい眼差しのまーちゃん課長の前に向かい合って立った。 「俺達も、今その件聞きました。 仕事もプライベートも一生懸命に頑張っている西條君にとって、一番いい方向に進めるように、お力添えをよろしくお願い致しますっ!」 「俺からもお願い致しますっ!!」 大きな目を更に大きく見開いて俺達を見ていたまーちゃん課長は、ふふっと軽やかに笑うと 「頭を上げて。大丈夫。私達に任せて。 できる限りのことをするから。 私達にとっても、西條君は必要な人なの。」

ともだちにシェアしよう!