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第368話
「あら、片岡君とこのイケメン君達…
峰君、元気にしてる?なんだか最近顔に締まりがないわよ。彼女でもできたんじゃない?
えーっと…あなたが西條君の後に支店から呼び戻された…相沢君ね?
結婚しちゃったって、社内の女の子達、しばらく泣いてたわよ。」
うっ、鋭い…
あははっ と豪快に笑うこの人は、泣く子も黙る庶務二課の女課長だ。
ストライプのシャツにブラックスーツ、ピンヒールでモデルばりのスタイルのこの美人は、仕事もデキる。
「もうそろそろ戻るところでした。」
「そう。ちょうどよかった。
あのタヌキから呼び出されたから、一緒に行きましょう。西條君一人でって言われたんだけど、あいつ何言い出すかわかんないから、付いていくわ。
うちの女の子達にも頼まれたしね。」
すっげぇ、男前…カッコいい!
うちの会社の課長って、みんなカッコよすぎる。
「あ…はい。よろしくお願い致します。」
瑞季君が弁当箱を慌てて片付ける。
俺は優しい眼差しのまーちゃん課長の前に向かい合って立った。
「俺達も、今その件聞きました。
仕事もプライベートも一生懸命に頑張っている西條君にとって、一番いい方向に進めるように、お力添えをよろしくお願い致しますっ!」
「俺からもお願い致しますっ!!」
大きな目を更に大きく見開いて俺達を見ていたまーちゃん課長は、ふふっと軽やかに笑うと
「頭を上げて。大丈夫。私達に任せて。
できる限りのことをするから。
私達にとっても、西條君は必要な人なの。」
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