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第371話
課長の一言で安心した俺は、猛烈に仕事のスピードを上げ、今週しなければならないものまでやり上げて帰宅した。
途中、峰にも『課長のお墨付きだ。瑞季君のことは心配するな』とラ◯ンしておいた。
すぐに既読がついて、号泣しているパンダが送られてきた。
このことは絶対に翔に聞いてもらおう!
早く話したくて、凛の話も上の空で玄関のドアを開けた。
「「ただいまー!!」」
「おっかえり!ん?凛、何むくれてんだ?
美人はどこに行った?」
「だってぇ。さとしったら、りんのおはなしちゃんと きいてくれないんだもん!」
ぷくーっと膨れっ面の凛にハグした翔は
「俺がメシの時に聞いてやるからな、勘弁してくれよ。それに…後で俺がお仕置きしとくからさ…」
お仕置き?なんか、恐ろしいこと言ってる?
いや、それいらないから。
動揺しているといきなり着信音が鳴り響いた。
うわっ!誰?え?瑞季君?
慌てて電話に出た。
「もしもし?瑞季君?どうしたの?どうなったの?」
「智君!本当にありがとう!心配かけてごめんなさい。今ここに峰君もいるんだ。」
『おーい!相沢ー』
俺は翔にも聞こえるようにスピーカー設定にした。
「それで?タヌキなんだって?」
「うん、それが…僕、仕事続けられることになったんだ!在宅で!」
「えっ?在宅?」
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