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第373話

俺は早速片岡課長にお礼のメールを送った。 『お疲れ様です。 西條君の件、本当にありがとうございました。 本人から聞きました。 いつも俺達のことを見守って助けて下さってありがとうございます。 俺、何があっても絶対に課長に着いていきます! 取り急ぎお礼まで。』 ふうーっ。一息ついて携帯を置く。 「落ち着いたか?さっきの電話で大体予想はつくが…」 横に座ってきた翔に肩を抱かれた。こてんと翔の肩にもたれかかる。 「うん。とりあえず…解決したんだ。片岡課長とまーちゃん課長と、庶務課の女性達のお陰で。」 「まーちゃん課長?」 「うん。瑞季君とこの女課長。めっちゃ男前でさ。 それがね、瑞季君を目の敵にしてた人事の高木部長も協力してくれてさ、在宅勤務のモデルケースで仕事を続けられることになったんだよ! だから、家で仕事しながらお義母さんのお世話ができるんだ。」 「…そうか。よかったな。 ところで、日向はこのこと知ってるのか?」 うっ、さすが攻同士、通じるものがあるのか? 「いや…事後報告みたいだよ…?なんで?」 「だってさ、大事な伴侶が自分に何の相談もなく、内緒でそんな大事なことを勝手に進めていって…ましてや、相手の親も関係してるんだろ? 俺なら…何か決める前に、一番に相談してほしいからさ。日向も俺と似ているから、瑞季君が黙ってやったことなら…あいつ…」

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