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第375話

朝の挨拶もそこそこに峰とアイコンタクトを取った俺は、課長の出社を首を長くして待っていた。 「おっはよぉー! みんなー、今日も頑張りましょう!!」 「「かちょーぉー!おはようございますっ!!」」 「おぅ、イケメンず、おはよう! 君達、本来の業務を頼みましたよぉ。」 そして小声で 「うちの部長に一任してもらってたからね、動きやすかったんだ。 あと一週間程で退院できるそうだよ。もう、自転車に乗れないってボヤいてたけどな。 あ、そうそう、まーちゃんが『あの二人、惚れてまうやろぉ』って悶えてたぞ。 『ねぇ、あの三人デキてる?』って。 さすがにそれは、全力で否定しといたけどね。」 おかしそうにくっくっと喉を鳴らして笑っていた。 俺と峰は思わず顔を見合わせて、お互いで怪訝な顔をしていた。 いや、それはおかしいでしょ。 課長、俺達のそれぞれのパートナーご存知でしょ? 「社内に西條君の協力者がいて、俺も本当にうれしいんだ。これからもお互いフォローし合ってくれよ。 あぁ、自分一人で何とかしようなんて思うなよ。 それでどうしようもない時は、相談に乗るからさ。 お前達、パートナーだっているだろう?」 翔と同じこと言われてる… 「…はい。撃沈する前に相談します。 よろしくお願い致します! それと ありがとうございました!!」 席に着くと、峰と秋山が何かひそひそと話している。あ、秋山のけ反った。きっと『三人デキてる?』に反応したな…

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