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第376話
最近、昼休みが待ち遠しい。翔のお弁当も勿論なんだけど、三人の井戸端会議というか、夜のお悩み相談会というか…俺よりも経験値の高い瑞季君の話は実に勉強になるのだ。
「智君、峰君!お待たせしましたっ!」
キラッキラの笑顔で走ってきた瑞季君。
今日もその笑顔で二課の女性達を悩殺してきたな?
「瑞季君!本当によかったね!!」
真面目な顔でぺこりと頭を下げて
「心配掛けてすみませんでした。」
「でも、すごいじゃないか。あのタヌキが協力してくれるなんて!一体何があったの?」
「部長さ、ご自分も親の介護で家庭が崩壊しかけたらしく、その中へ入ろうとする僕を応援する気持ちになったそうで…この間の件も『過敏になって申し訳なかった』って。
それに、二課のみんなが、僕が自宅でできる仕事の振り分けと受け渡しの方法や、いろんなことを考えてくれて…」
グスグスと瑞季君が鼻をすすっている。
横から峰がそっとティッシュを差し出した。こいつ、秋山と付き合いだしてから、ますます紳士ぶりに磨きがかかってるなぁ。
「さすが まーちゃん課長率いる精鋭部隊だな…
それでいつから?」
「来月からの予定なんだ。」
「そうか…こうやって一緒に昼メシ食べるのももう少しなんだな…」
「あ、でも週に一度は出社するよ!」
ちょっとしんみりとしたランチタイムとなった。
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