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第379話
「智…ありがとう…俺、俺行ってくるよ。
でも、『たった』じゃないよ…『貴重な』一週間なんだ。
お前と過ごす日々はいつでも大切なんだから。」
「うん。待ってるから。」
「毎日電話する。」
「うん。」
「急いで帰るから。」
「うん。」
一抹の不安を抱えたものの、翔の邪魔をするわけにはいかないと、俺は固く心に誓ったのだった。
「じゃあ、メシにするか!」
いつものように、普通に…
少しまだ動揺しながらも、普段通りに会話をし、凛を寝かせ、翔の寝室へ連れて行かれた。
「智…怒ってる?」
「怒るも何も…仕事だろ?
そりゃ寂しいけど…仕方ないじゃないか。
もう決定してて断れないから翔だって俺達に言えなくて悩んでたんだろ?
決まったことなら迷わず行ってこいよ。お前のキャリアにもプラスになるんだろう?
俺が止める筋合いはないよ。
でも…
辛いな…」
翔は俺の髪の毛を撫でながら黙って聞いていたが、最後の一言でタガが外れたのかいきなり抱きしめてきた。
うっ
身動きできないほどに力一杯抱きしめられて、一瞬呼吸も止まりそうだった。
頬に冷たいものが。
翔、また泣いてんのか?泣きたいのは俺の方だぞ?
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