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第382話
ぼんやりしている俺の肩が突然叩かれた。
「相沢君、 マリッジブルーかな?」
「課長!す、すみません。いえ、そういうわけでは…」
「今度は君か?うちの部下達は随分忙しいねぇ。」
くっくっと笑いながら課長が手招きする。その後をとぼとぼとついて行く。
着いた先は…第三会議室。
「それで?今度はどうしたんだ?来週結婚式だろう?」
「はぁ、ええ、早退と…休みをいただきます。それはもう申請済みですが…」
「うん。それは大丈夫。他に何か心配事でも?」
「いえ、プライベートなことなのですが…心配事というか…
今日から式の前日まで、うちの翔が海外に出張になりまして…それを聞いたのが先週だったので、ちょっと精神的に参ってるというか、不安定になってるというか…」
「…そうか…それは大変だな。
式の準備とかは大丈夫なのかい?あぁ、彼のことだ。全部準備万端にして旅立ったんだろう?
俺もそうだからな。ブルーな気持ちになるのはよくわかる。うちはしょっちゅうだよ。」
「え?課長のところも?」
「ああ。俺もギリギリまで言ってもらえなくて。
なかなか言い出せないって。俺が凹むのが目に見えて辛いからってさ。
やっと…明日帰ってくるんだけどね。いやー、今回はキツかったなぁ…」
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