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第386話

身動き取れないように体重をかけて 「凛、俺のベルト外して!」 凛は素早く反応し、あっという間にベルトを外すと、俺の指示なく器用に相手の両手首に巻き付け縛り上げた。 呆気にとられる俺を尻目に 「はい、できあがり。」 どんなもんだとドヤ顔でふんぞり返っている。 感心するのはこれが解決してからだ! 「あんた、一体何者?何で俺達を付け狙ってる?」 黙ったまま答えない。 そりゃそうだよな。簡単に口を割るわけないよな。 「仕方ない。このまま警察に」 「ちょっと待ってくれ!私はあなた達についてる民間のSPなんですっ!」 「…はぁ?SP?誰に頼まれたんだ?まさか…翔?」 「いえ…正確には…『結婚祝い』…です。」 「結婚祝い??」「けっこんいわい??」 俺と凛の声が裏返った。 誰が?何のために?SPって、平たく言うと護衛だよな?ん?何で守られなくちゃいけないんだ? しまったという顔をしてるこの若い青年…いや、俺と同い年くらいか? 「あんたの上司に連絡してくれよ。納得いかない。 きちんと説明してくれないなら警察呼ぶよ。」 「…拘束されていては連絡できません…」 「じゃあ、携帯貸して。俺が連絡するから。」

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