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第390話

呆れてモノが言えない。一体、どんな思考回路してるんだ? 結婚祝いに俺と凛にSPつけるなんて、どの世界の人達? 『高名な三名』って、きっとアノ人達だろう。二人はわかる。 でもどうしてそこまで翔に尽くしたがる? 確か同い年で、翔の出身地の近くに住んでて… あ…まさか… 最初に聞いた、翔のお母さんを… じゃあその三人のうちの誰かが翔の実の父親? いや、そんな、まさか。 次々と巡る考えに頭がクラクラしてきた。 「結論から言うと、俺の一存ではどうにもならないということなんですね。」 「はい。そうですね。」 「翔は…その条件をのんだ ということですよね。」 「はい。」 「じゃあ、俺から言うことは何もありません。 今まで通り、よろしくお願い致します。」 「そうご理解いただけたら助かります。 今後一層警護に励ませていただきます。 よろしくお願い致します。」 ピシッと一礼した奥田氏は凛に向かって 「お嬢ちゃん、なかなかの腕前だけど、どこで習ったの?」 「ぱーぱのおともだち。じぶんのみは、じぶんでまもれるようにって。」 「そうか。大きくなったらここに就職しないか? 君は最高に優秀なSPになれるよ!」 「えーっ、りんはおよめさんになるから、えすぴーにはならないよ。ごめんなさい。」 「あー、振られちまったか。残念だね。 ではお宅までお送りしますよ。」

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