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第404話
窓の外をぼんやりと見ている五十嵐君に話しかける。
「五十嵐君、相川さんは今 病院へ搬送中です。
意識も戻って、自力で呼吸ができるようになってるそうです。一過性のものだそうですが、念のためにすぐ検査をする手筈が整っています。
凛ちゃんも付き添ってます。
SPと救急隊が到着するまで、泣きながら一生懸命人工呼吸をしていたそうですよ。
うちの部下が大変申し訳ないことをしました。
監督不行き届きで申し訳ありませんでした。
幸せなあなた方を軽く揶揄ってやろうと思った、と申しております。
私も含めて処分はいかほどでも受けますので、こちらに預けていただけませんか?」
「意識が戻った…よかった…」
顔を覆いそう呟くと、黙ってまた窓の外を眺めている。
心なしか、肩が小刻みに震えているのがわかった。
そして、対向車のライトに照らされた横顔に一筋の涙が光っていた。
よかった…本当によかった。万が一のことがあれば、我々だけでなく中枢部もただでは済まない。
一体どれほどのショックが彼の伴侶を襲ったのか。
彼らの心中を思うと、胸が締め付けられる思いで一杯になり、もらい泣きしそうになったが、ぐっと堪えて、部下達に次の指示を出すために 携帯をタップした。
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