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第407話

到着後、寝入ってしまった凛ちゃんを俺が抱っこして、五十嵐君は相沢さんを横に抱くと、黙ってエレベーターに乗り込んだ。 相沢さんも一言も喋らない。 ただ五十嵐君に身を任せてその温もりに安心しているように見えた。 玄関で凛ちゃんを引き渡すと 「本当に申し訳ありませんでした。 私の方から、後日改めて連絡差し上げますので、よろしくお願い致します。 どうぞお大事になさって下さい。 何かあったらご連絡下さい。」 「わかりました。では、失礼致します。」 ガチャリとドアが閉められ、俺は疲れた身体を引きずるようにしてエレベーターに乗り込んだ。 これで終わりではない。 あいつらの処理が待っている。 頬をパンと叩いて、今日最後の仕事に取り掛かろうと気合を入れ直した。 部屋に入ると、あの二人がばね仕掛けのように椅子から立ち上がって直立不動の姿勢をとった。 「「申し訳ございませんでした。」」 顔は青白く、身体が小刻みに震えている。 「何に対してだ?」 「何…とおっしゃいましても…我々がしたことに対してです。」 「お前達のやったことは犯罪だ。 まかり間違えば、五十嵐君の伴侶が死んでいたんだぞっ!! 人の命を何だと思ってるんだ!この馬鹿野郎!!」 俺のあまりの剣幕に、二人は更に震えだした。 俺のこんな姿を今まで官邸内の誰にも見せたことはない。 怒髪天を突くというが、まさにその通りの状況だ。 怒りが頂点に達し、握った拳が震える。

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