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第412話

「そっか…そうだな。ふふっ、じゃあ、凛と一緒に入って介護してもらおうか。」 「ほら、智!お前は先に風呂入ってこいよ。その間に片付けとくからさ。」 (お前と今一緒に入ったら、抑えが効かないから…)と俺は耳元でささやくと、智の鼻の頭に、ちゅっ とキスをして、有無を言わさず背中を押して風呂へ連れて行った。 「ほら。着替えもちゃんと出してあるから。 ゆっくり入ってこいよ! おーい!りーん!頼んだぞ!」 ウインクしてそう言い残し、俺はキッチンへ。 さっさと片付け、二人が出てくるのを待つ。 そして入れ替わりにバスルームへ向かい、怒涛の如く過ぎ去った今日一日の疲れを洗い流そうと、シャワーのコックを捻り、水しぶきの中に身を委ねた。 ホントに…いろんなことがあり過ぎた。 凛と三人で…というのは、智なりの自制の仕方だろう。あんなことがあった後だし、二人きりになったら一週間分の埋め合わせをしようとして、それこそまた救急車を呼ぶ羽目になったら大変だし、抱き潰してしまったら結婚式に差し支える。 熱いシャワーに打たれながら、いきなり元気になった俺自身を宥めようと、そっと手を上下に擦り上げ、呆気なく俺から放たれた白濁の液はお湯とともに排水溝へ吸い込まれていき、それを見つめながら俺は大きくため息をついた。 先にベッドに転がって待っていた二人の横にダイブして、凛を真ん中にして抱き込むと、交互にキスの雨を降らせた。 きゃあきゃあ はしゃぐ二人を腕の中に封じ込め 「いよいよ…明日だな。二人とも愛してるよ。」 「「あいしてるーー!!きゃははっ!!!」」 笑い声に包まれて、あっという間に ことりと闇の中へと落ちて行った。

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