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第414話

凛を起こさないように二人でそっとベッドを抜け出して軽く唇にキスをした後、俺はキッチンへ、智は洗面所へ向かう。 「悪い、食器出してくれるか」 「うん、わかった。」 アジの干物を焼いて、凛の好きな だし巻き卵と、昨日の残りの刺身を味噌汁の具に入れ、水菜は胡麻和えにした。 キッチンに香る美味しそうな匂い。 「あー、翔のご飯の匂いだぁ!うれしいな…もう、ずっと食べたくて食べたくて…我慢できなかったんだ…俺泣きそう…」 「大袈裟な奴だなぁ。ほら、できたぞ。思う存分食っていいから。 俺は凛を起こしてくる。」 言ったそばからバタンとドアが開いて 「しょうのごはーん!!まってましたぁ!!」 「くっくっくっ。凛…お前もかぁ。 ほら、メシは逃げないから。手で摘むな!箸を使えよっ!」 だし巻きをパクリと頬張り、指をちゅっと舐めた凛は 「これーっ!これこれっ!!うんまーーいっ! おいしそうなにおいでおきちゃった。」 てへっと笑うと、いただきますをしてガツガツ食べ始めた。凛、一応お前は乙女だからな。好きな男ができたら、それはちょっとまずいぞ。もうちょっと上品に食べるんだぞ。 智は…涙ぐんで黙ったまま、口だけを動かしている。時々、うんうんと一人で頷きながら。 それを見ていると俺まで泣きそうになってきた。 三人三様の想いのまま、静かな朝食の時間が過ぎていった。

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