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第437話

翔と入れ替わりにお風呂に入って、いつもより念入りに…洗っていく。 翔と繋がる部分も、特別キレイに…恥ずかしいけど自分で解しておく。すぐに一つになりたいから… 家のボディソープと違う香りに包まれて、あぁ、違うところに来てるんだ…と今更ながら実感が湧いてきた。 早くしないと待ちくたびれてここまで迎えに来そうだ。 急いで髪を乾かして、後口に指に纏わせたローションを仕込んでおく。 汗が引くのを待ってから、あの下着を身に付けた。こんな俺を見て、翔は『かわいい』と言ってくれるんだろうか? 鏡に映る自分は、何て物欲しげな顔をしてるんだろう。 あまりにイヤラシイ自分を見るのが嫌で、鏡を背に、翔が選んだ浴衣に手を通し、彼の元へとゆっくり近付いていった。 「智ぃ…待ちくたびれたよぉ…」 案の定、愛おしい伴侶は俺の気配を感じ取ると抱きついてきた。 「ふふっ、ごめん、お待たせ…俺と同じ匂い…いつもと違うけど…んんっ」 ちゅ とキスされ、軽々と姫抱きにされたまま、有無を言わさずベッドルームへ連れて行かれた。 そして翔は俺をそっとベッドへ座らせると、その前に跪き、俺の左手の薬指に恭しくキスをした。 「俺の愛おしく美しい奥様…健康な時も病める時も、富める時も貧しい時も、良い時も悪い時も、愛し合い敬いなぐさめ助けて、変わることなくあなたを愛することを誓います… 愛してる、愛してるよ、智…」

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