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第438話

あの、永遠の愛を誓い合ったチャペルの光景が鮮やかに蘇った。 翔が触れている指先が震え、涙が溢れて目の前の愛おしい夫が滲んで見えた。 「智…返事は?」 俺はこくこくと頷いて誓いの言葉を繰り返した。 「…健康な時も病める時も、富める時も貧しい時も、良い時も悪い時も、愛し合い敬いなぐさめ助けて、変わることなくあなたを愛することを誓います…」 最後は涙声で…口に出しているのに言葉にならない。翔に聞こえたのだろうか? 翔は俺を抱きしめ横たえると、優しくキスをしてきた。唇に触れる程度から食むように、そして熱い舌を差し込んで濃厚なものへと。 お互いの舌を絡ませ、唾液をすすり、口の周りがぐちゃぐちゃに濡れるのもお構いなしで貪りあった。 息が乱れ、心臓が飛び出しそうなくらいにバクバクと鳴っている。 やっと離れた唇は、喉を滑り首筋を通り、鎖骨へ移動して骨の上を何度も辿っていた。 いつの間にか帯をしたまま胸元が大きくはだけられ、上気してほんのり赤く染まった肌を翔の大きな手が滑っていく。 時折ピリッとした痛みがあるのは、一週間で薄く消えてしまった赤い所有の印を上書きしているのだろう。その痛みさえもが愛おしい。 唇は、だんだんと尖った粒まで近付くと、焦らすように乳輪だけ円を描くように舐められた。 触られていないのに、じりじりとその先が疼いて堪らなくなる。 早く、早く触って…なんて、恥ずかし過ぎて言えない… ぴんっと、指で反対の粒を弾かれた。 ああんっ 思わず漏れた甘い声。ずくんとお腹の奥が疼いている。 慌てて両手で口を塞いだが、やんわりと外されたその瞬間、吸い付かれた。

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