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第451話

力の入らない手を上げそっと抱きしめ返すと、いつもと違うシャンプーとボディソープの香りがふわりと鼻先をくすぐった。 「もう…他人様に自分の情事を見られるのって…普通抵抗あるだろ? シーツ一枚、浴衣の枚数で勘繰られるのって…俺は嫌だ。 まして、ただでさえ俺達は同性カップルなんだよ?おまけに、この離れに閉じ篭ってさ… でも ここのスタッフさん達、みんなわかっちゃってるんだろ?取り繕ったって…バレてるよな… せっかくなんだ。俺の体力に差し障りのないように、あんまり邪推されないように…愛して?」 「うっ…鼻血出そう…さーとーしぃ…もう、怒らない?」 「ばか…怒らないけど…」 「…『けど』何?」 「お手柔らかに。けど、今夜はもう無理。身体中ガタガタ。明日動けなくなる。」 「…まだ足りない…あっ、デカくなった…」 「…無理。却下。あんなに激しくされたら無理。」 「…智…せめて素股で…」 低く甘い声で耳元でささやかれ息を吹きかけられて、ぞくりと身体が震える。 「…うっ…それも…ダメ。腰砕ける。」 「…んー…じゃあそのかわいい口で。」 「無理。この声聞こえてる?掠れて出ないし、さっき散々口ん中も舐めまくっただろ?顎外れそう。」 「じゃあ…手で…」 「却下。指一本動かすのも辛い。無理。」

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