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第457話
端整で慈愛に満ちた顔が近寄ってきてキスされた。
目を閉じてその感触を堪能して…ゆっくりと離れた翔は
「俺も…愛してるよ。一生大切にしてやるから覚悟しろ。」
そう言って笑い、また俺を抱き上げると脱衣所の椅子に座らせて丁寧に身体を拭きベッドへ運んで行った。
いろんな話をしようと思ってたのに、横たえられると瞼が重くて開けていられなくなってきた。
徐々に睡魔に襲われていく俺の頬を翔は優しく撫でると
「ゆっくりお休み、智。明日また…たっぷり愛し合おうな。」
なんて恐ろしいことを…と思いながら、顔に無数に散らばる翔の唇の感触を感じながら、俺の意識は夜の闇に消えていった。
小鳥のさえずりと窓を叩く風の音で、混沌とした意識が戻ってきた。ん?見慣れない天井…ここどこ?
そうだ。
昨日結婚式の後、新婚旅行に来てるんだった。
ふと、横を見ると、俺の愛する夫が小さな寝息を立ててうれしそうに微笑みを浮かべて眠っている。
ふふっ。
安心しきってぐっすり寝てる。かわいい。
やっぱりコイツは半端なく男前だよな…ずっと見ていたい。
起きるのにはまだ早いか。
もう少しこの温もりを感じて、大好きな翔の匂いに包まれて、二人っきりの朝を満喫しよう。
起こさないようにすりっと身体を擦り寄せて、再び目を閉じると、また夢の中へ誘われていった。
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