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第458話

side:翔 官能的ないい匂いと、湯たんぽを抱いてるみたいに暖かくてそして柔らかな感触で目が覚めた。 智だ… あどけない顔でくぅくぅと眠る俺の妻。心の底から湧き上がる愛おしさで胸が一杯になった。 おでこにキスをしてその柔らかな髪を撫で、布団を引き上げて少し出ていた冷たい肩に被せて、そっと抱き寄せる。 俺達はやっと昨日結婚式を挙げて、新婚旅行に来ているのだった。 お互いの弟と妹が亡くなり、最初の衝撃的な出会いから想いを寄せ合い結ばれて… 俺の過去の不始末から智が拐われて危険な目にあわせてしまい、そしてまた今回も俺の不注意から智の命を奪いかねない事態にまで及んだ。 『二度と危険な目にあわせない』と誓いながら、あんなことになってしまって…己の不甲斐なさが身に染みる。 もっと、もっと地位と権力を手に入れてどんなものからも守ってみせる。誰からも文句は言わせない。 智と凛を守るための力が欲しい。 思わず肩を抱く手に力が入ってしまったのか 「…翔?おはよう。もう起きたのか?今何時?」 胸に抱き込んだ智が目を覚ました。 「おはよう、智。八時過ぎたとこだよ。 まだ休んでていいぞ。」 「…ん。でも、お腹空いたよー。ご飯食べたい。」 「そうだな、あんだけヤったら運動量もカロリー消費もすご…ぶっ! 痛い!智!殴るのなしっ!」 「…翔…セクハラ!スケベ!今日…なしにしようか…」

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