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第465話
「あー、やっぱり。
ずっと視線感じてて、付き纏われてる感があって、新手のストーカーかとも思って…気味悪かったんだ。
で?三年間ってマジなの?」
「あぁ。何言っても全然ダメなんだ。勝手に契約しちまってるしさ…まぁ、俺もしばらくはその方がいいかなって思う部分もあって…了承した。」
「一応さ、奥田さんには『翔がその条件を飲んだのなら』って伝えたよ。
だから、とりあえずは今のままで。
でも、一言お前の口から先に聞きたかったな。」
「…うん。ごめんな。
でもさ、結婚祝いがコレなんて、絶対引くだろ?
言いそびれちまってさ。
俺だって最初聞いた時は開いた口が塞がらなかったもん。
おっさん達の考えることはわかんねぇよ。」
「それだけ翔のこと、思ってくれてるんじゃないか?強引でもなんでも、翔自身のことだけじゃなくって、俺と凛に関することの方が、翔が喜ぶのもわかってやってるんだよ。
もう、俺も凛も腹括ったしこうなったら三年間きっちり守ってもらうよ。
三人の時はお前が守ってくれるんだろ?」
「二人まとめてきっちり守ってやるよ。」
ちゅ と智の頬にキスをすると、頼んだ…というささやきとともに頬にキスを返された。
おでこをくっつけ合って鼻先を擦り合わせる。
くすくす笑う智が愛おしい。
「さ、出かけてこよう。土産、土産!」
慌てて着替えて、まだ『腰が痛い』と捲れる智の手を誰も見てないところで繋いで出掛けた。
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