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第467話

結構歩き回って程よい疲れを感じ、まだ物色したそうな智を促して旅館へと戻った。 「あー、疲れたー。何だかんだでかなり歩き回ったなー。」 「誰だよ、まだ帰りたくないって駄々捏ねてたのは。」 ぷぅーっと膨れっ面の智の頬を突いて笑った。 「一緒に風呂入ろうか。」 「やだ。別々に入る。」 「あっそう。じゃあ、俺、先に入るぞ。」 あっさりと引いて浴衣を持つと、スタスタと内湯へと向かう。俺が無理矢理ぐいぐいくるかと身構えていた智は、肩透かしを食らったようにぽかんとしている。 今は無理強いしないよ。後でこれでもかっていうくらいに、たーっぷり啼かせて愛してやるからな。 ニヤニヤ笑いが止まらなくて、ふと鏡を見るとそこには完全に顔が崩れまくった俺がいた。 うわ、やっべーな。智のこと考えてたらこんな顔なのか。だから『イケメン台無し』とか言われるんだ。 別にいいじゃん。どんな顔もアイツだけが知ってればいい。俺の全てはアイツのものだから。 今日もまた念入りに身体を洗い湯船に浸かった。 心地よさに「ほぉーっ」と声が出る。日本人でよかったと思う瞬間。 さぁ、今夜はどうやって責めようか。それともひたすら優しく時間をかけて ずるずると快楽の淵に堕としていこうか。 智は優しいのが好きだからな。 二人ならあんなことやこんなこと…お楽しみはこれからだ。 俺は顔面崩壊寸前の顔を引き締めて脱衣所へ向かった。

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