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第477話

荒々しい呼吸が次第に穏やかになり、アルカイックスマイルを残したまま、智は意識を飛ばしていた。 抱き合う度に意識がなくなるほど抱き潰し、動けないほどの負担を強いているのは百も承知だが、このかわいくて色っぽい伴侶を目の前にすると、理性がなくなり、本能のまま抱いてしまう。 「ごめんな、智。」 唇に一つキスを落として、熱いお湯とタオルを用意しにいく。お腹の中に残した俺の分身も早く掻き出してやらないと。 スキンつけとけばよかったか?いや、僅かゼロコンマ二桁の薄いものでも、100%智を感じることができないから…この旅行の間は嫌だ。 今までよりも、もっともっと心も身体も全て俺のものにしたかったから。 青臭い匂いの残るベッドルームで智の身体を綺麗にしてから、床に落ちたバスローブで身体を包み移動させ、新しいシーツに交換してからまたそっと横たえてやった。 丸めたシーツは部屋の隅のカートに放り込んで始末した。 これ見たら智が恥ずかしがって嫌がるよなぁ。 ぐっすりと眠る智は王子のキスを待つ白雪姫。 では王子の俺はシャワーでも浴びてくるか。 ほの明るい内湯でざっと身体を洗い、冷蔵庫のミネラルウォーターを半分くらい一気飲みしてから、すぐに智の元へ戻った。 美しい姫は寝息を立てて身じろぎ一つもせず、ぐっすりと眠りについている。 明日の朝、俺のキスで起こしてやるよ。 お休み、智。

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