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第478話

side:智 なんか…くすぐったい…顔や肩に何か柔らかいものが触れては離れ、離れては触れて… ん… 眠い目を擦りながらゆっくりと瞼を開けると、そこには…超至近距離にイケメンのスパダリがうれしそうに笑っていた。 「おはよ、智」 ちゅっ 「…ん、おはよ、翔。」 あぁ、くすぐったかったのは、コイツか。 「身体…どう?痛くない?」 「んー、ギシギシ言ってるー。動けるかな… あー、何とか…動けそう…かな?」 「とりあえずね、身体中湿布貼っといたから。少しは楽だと思うけど?」 「ありがとう。朝のピロートークが湿布だなんて…色気も何もないな…」 抱き合ったままクスクスと笑うと、触れ合った肌に振動が伝わり、何だかくすぐったい。 あ…今朝も『翔』は元気だ… 熱を持つ大きな楔に素知らぬフリで、翔の頬を撫でる。 「これ以上したら、マジで腰砕けて入院コースだからな。 …わかってるよな?翔…」 「…はい。反省してます…」 瞬間、耳と尻尾が垂れた。 ふふっ。そんな顔もかわいくって好きだぞ。 「チェックアウトは何時?」 「十時にしてある。今八時だから、朝メシ食おうぜ。あ、その前に風呂入るか?連れて行ってやるよ。」

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