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第479話
翔に抱かれたまま身体を流してもらい、二人で温かなお湯に浸かる。
「あー、温泉三昧だったなぁ。食事もサイコーに美味しかったし。ありがとう、翔。
今度は凛も一緒に連れてきてやろうな。」
「あぁ。『オジサンと一緒じゃ嫌』って言うお年頃になる前に三人で楽しまなくっちゃな。」
「ふふっ。そうだな。
でもさ、いつかは凛だって愛する人ができて、俺達の元から巣立っていくんだよな…」
「ジジイになってもヨボヨボになっても、俺はお前の側にいるから、見捨てるなよ。」
「うわーっ。ジジイはいいけどヨボヨボは、ちょっと…くくっ。」
小突き合って笑うからお湯が波打って顔に跳ねる。それがまたおかしくって笑いが止まらない。
散々笑って風呂から上がり、支度を済ませて朝食の膳の前へ。
今朝も豪勢だな…美味しいけど…翔のご飯が恋しくなってる。
どんなに高級で美味しくても…やっぱり翔が作ってくれたものの方がいい。せっかく連れてきてもらって贅沢させてもらってるのに…ワガママだよな、こんなこと言うの。
それでもたらふく食べて部屋へ戻ると翔が新しい湿布を貼ってくれた。
「うわっ、半分ミイラみたい…」
「なんともかわいいミイラだな。 」
「『かわいい』は止めろってば。」
「仕方ないじゃん。かわいいんだから。」
完全にバカップルの会話。
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