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第480話
翔の前にきちんと姿勢を正して正座をした。
これだけはちゃんと言っておきたかった。
おっ?と言う顔をした翔に向かって
「俺のためにこんなに贅沢な場所と時間を用意して、一緒に過ごしてくれて本当にありがとう。
こんな俺ですが、どうかこれからも末永くよろしくお願い致します。」
三つ指をついて頭を下げた俺に、翔も正座をすると
「俺が一生守っていくから。
こちらこそ末永くよろしくお願い致します。」
と頭を下げた。
照れ臭くなって、えへへ とごまかし笑いをすると、わしゃわしゃと頭を撫でられておでこにキスされた。
「智…お前、ホントにかわいいことしやがって。
俺はお前といると、毎日ドキドキワクワクしてたまらないよ。
これからも凛と三人で仲良く暮らしていこうな。」
じっと見つめられて顔が赤くなってくる。頬が熱い。
至近距離で翔に見られるのは、いつまでたっても慣れない。
黙って頷くと、あやすように抱っこされて背中をポンポンと叩かれた。
俺は子供か!?
それでも、翔にくっ付くのがうれしくて、ぎゅっと抱きついた。
ふふふっ と耳元で笑う翔に、俺も耳に口を寄せてささやいた。
「翔…愛してるよ。」
突然顎を上向きにされて…キス。
「だから…かわいいことし過ぎ。
智…俺も愛してるよ。」
結局甘い言葉をささやきながら、時間ギリギリまでくっ付いていた。
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