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第483話
side:翔
車はそのまま橘家に直行する。
チャイムを鳴らして呼び出すと、凛が飛び出してきた。
「しょーぅ!さとしぃー!おかえりー!!」
ぼふっと勢いよく飛び付いてきた凛を抱き留める。
「ただいま、凛。いい子だったか?」
「うん!!」
俺の次は智に抱きついた。
「凛ちゃん、お利口さんでしたよ。私達も本当に助かりました。どう?楽しんでこれた?」
「はい!お陰様で。隼人さん、遙さん、本当にありがとうございました。
なんてお礼を言えばいいのか…」
「君達が楽しんでこれたらそれでいいんだよ。
さ、上がって!お茶でも飲んでいってよ。さぁ、どうぞ。」
「え、でも…」
「さ、早く早く。凛ちゃん、案内してあげて。」
「しょうもさとしも、はやくはやく!」
リビングへ案内されて、まずお土産を渡す。
地酒とお菓子と、半田さんお手製の鯛の昆布締め。
「わざわざありがとう。気を遣わせて悪かったね。
ん?これは?」
「俺の師匠の自信作で、鯛の昆布締めです。お酒のアテにどうぞ。」
「こりゃあ楽しみだなぁ。遙、早速今日いただこうぜ。」
「うわぁ、楽しみ!ありがとうございます!」
コーヒーを運んできた遙さんがうれしそうに微笑んだ。
智は遙さんと何か言いたげに視線を合わせていたが、そのうち二人でコソコソと耳打ちしては笑い真っ赤になっては、秘密の会話を続けていた。
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