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第490話

片付けを終えて、いつもの『お休みのちゅー』をすると、凛はご機嫌で部屋へ行ってしまった。 二人っきりになってソファーに座ると、どちらからともなく手を合わせ指を絡めた。 翔の肩に頭を預け、ぴったりと寄り添うと、触れた部分から体温が伝わり、俺の大好きな翔の匂いに包まれていく。 お互い何も言わず黙ったままで、時折繋いだ指を撫でては顔を見合わせて微笑む。 言葉は必要なかった。 二人を包む空気が次第に色艶を帯びていく。 ふぅとため息をついた翔は小さな声で 「智。俺、やっぱり今日もお前を抱きたい。 いつものガツガツしたセックスじゃなくて、お前を優しく愛でたい…」 「…俺も。お前を抱きたいと思ってたんだ。 翔…愛し合おうぜ。」 うれしそうな顔をした翔がおでこに ちゅ とキスをして俺を抱き上げた。 いつも軽々と俺を運んでいく男に見惚れながら、翔の寝室へ連れて行かれた。 無数のキスを交わしながら、お互いの着ているものを次々と脱ぎ落とし、見つめ合っては またキス。 何度見ても見飽きない逞しいその身体のラインをそっと指でなぞると 「くすぐったい」 と両手を掴まれて、またキス。 お返しだと言わんばかりに人差し指で、俺の喉元から一直線に、もう緩く立ち上がり蜜を零さんばかりの杭までなぞられる。

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