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第492話
見つめられるところから、とろりと身体が溶けていきそうで。
愛おしげな目で見られると、その視線だけでイってしまいそうに、それほど俺の身体は昂ぶっていた。
「智…このまま一つに溶けてしまいたい…」
耳元で甘くささやかれて、身体がふるりと震え、縋るように伸ばした両手を掴まれる。
自由にならない手でそのまま翔の身体を抱き寄せると、俺に体重をかけないようにそっと上に重なってきた。
背中に回した手は翔の肩甲骨に沿って撫で回し、腰骨まで下りていく。
触れ合うお互いの屹立が液で滑り くちゅくちゅ という粘着質な音を出して、それだけでゾクゾクと背中から沸き起こる快感に溺れていく。
「あっ…翔…あふっ、ふっ…あんっ」
蜂蜜のような甘い甘い喘ぎ声に、翔は煽られたのか、唇を食むと隙間から舌をねじ込んで、俺の舌に絡め始めた。
息ができない…苦しい…
鼻で呼吸するのも忘れるほどに舌を絡め、しゃぶり、口から漏れる唾液はとめどなく流れ落ちていく。
やっと唇が離れ、上から翔に見下ろされているのだが、朦朧として頭が働かずぼんやりと翔がすることを見つめている。
流れ落ちた唾液を集め、尖りきった胸の粒に何度も擦り付けられた。
背中が仰け反り、少しの刺激でも反応するその赤い粒が己れを主張し、てらてらと光っている。
腰が揺れ、口元を覆って声を隠そうとする俺に翔は
「我慢するなって。今日は啼きたいだけ啼けよ。
お前の声…聞きたい。」
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