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第493話
爪でピンと弾かれ、小さな粒から全身に甘痒い痺れが走った。
「あぁんっ!」
恨めしげに翔を見上げると、盛った獣のような目で俺を見つめている。
「翔…お願い…優しく、抱いて…」
思わず潤んだ目で懇願すると、両手で上半身を撫でながら、ちゅうっと音を立てて赤い粒に吸い付かれ、舌先で突かれたり口の中で転がされる。
感じ過ぎていやいやをするように首を振れば、頬を両手で挟まれてまた深いキスをしてくる。
ふっ、うふっ、ううっ
俺の声じゃない声が身体から噴き出して甘ったるい空気に変えていく。
「…智…エロくて…たまんねぇ…」
ペロリと唇を舐めた猛獣の顔が不意に消えた。
瞬間、下半身が温かい何かに包まれた。
「えっ?翔?」
翔が俺自身を咥え込んでいる。緩急をつけたその動きは、俺の弱いところを知り尽くした翔しかできない。
舌先でちろちろとカリ首を一周し、先端の穴を抉られ、挙句に、射精できないように根元を押さえられていた。
空いた手で上下に扱かれ、舌は生き物のように蠢き俺を翻弄していく。
先端に熱が溜まっていくのに我慢できず、腰を振り身体をくねらせ、哀願した。
「…翔…ああっ、お願いっ!イかせてっ…早くっ」
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