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第499話

ちょっと寂しそうにジト目で俺を見る翔を無視して、ザッと洗い流すと身体を隠すようにして急いで湯船に滑り込んだ。 浴槽のヘリにもたれ掛かり顎を乗せて、身体を洗う翔を見ていた。 いつも思うけど完璧な彫刻のような整った顔立ち。切れ長の目。 綺麗に六つに割れたお腹。全身綺麗に筋肉が付いて、まるでモデルのような体型。 あぁ、なんてかっこいいんだろう… ぼんやり見ていると突然目の前に顔が近付き、キスされてびっくりした。 「んんっ?んふっ?んむっ?」 「あはははっ!口半開きのエロい顔で俺のこと見つめてっ! そんなに俺って見惚れるほどかっこいいか? 愛しの伴侶にそう思われたら男冥利につきるぜ。」 「…かっこいいに決まってるじゃん…」 恥ずかしくて横を向いたまま呟いた。 「智?」 「…だって…かっこいいんだもん。俺の翔は。」 「さーとぉーしー!!」 頬を鷲掴みにされて、キスの嵐。くっ、苦しい… 「はぁーっ。お前さぁ…俺の理性を簡単に打ち砕くようなこと言うなよ… 惚れてるお前にそんなこと言われたら…あー、もうっ!」 翔は、ザバァーッと派手な音を立てて浴槽に飛び込んできて俺を後ろから抱きかかえて、ぎゅうっと抱きしめてきた。 調子に乗りやがって。 俺は見事に頭からお湯を被り、髪の毛から顔に滴るお湯を黙って手で拭うと、不用意な発言をした自分を反省した。 翔は抱きついたまま離れない。

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