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第500話
「翔…。子供みたいにダイブするなよぉ。びちゃびちゃになったじゃないか。
もういいよ。逆上せるから上がりたい。」
「ごめん、調子に乗った。…そうだな。わかった。一緒に出よう。」
翔は俺の静かな怒りに気付いたようで、俺を横抱きにして上がると、脱衣所で身体の隅々まで拭き上げ、ドライヤーでしっかり髪の毛も乾かしてくれた。
口移しで水分補給をされて、一体どこまで世話を焼くつもりかと呆れてくる。
これで終わりかと思いきや、また横抱きにされてベッドへと運ばれ、壊れ物を扱うかのようにそっと降ろされた。
片手を恭しく持ち上げて手の甲にキスをすると
「もっと…もっとお前を愛したいけど。
これ以上ヤったら歯止め効かなくなって、お前を壊してしまうから…今日は我慢する。
その代わり、抱きしめて寝ていいだろ?」
「…翔ったら…金曜まで我慢な?
じゃあ、ここに来て。」
ぼふぼふとシーツを叩くと、うれしそうに布団に滑り込んで来て、俺を懐に抱き込んだ。
同じボディソープの香りと翔の匂いを吸い込んで、うっとりと目を閉じる。
瞼が段々と重くなってきて、翔が色々とちょっかいを掛けてきても反応が鈍くなり、そのうち俺を呼ぶ翔の声も聞こえなくなった。
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