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番外編:バレンタイン・キッス②
「へえっ。さとし、けーきつくれるの?」
「正確には『塗るだけ乗せるだけ』と言う。」
「あははっ!いいよ、てつだってあげる!」
思いっきり小馬鹿にされた感があるが、まぁ、いいか。
急いで晩飯を済ませて風呂に入って、さあ、開始!
「…さとし…おもいっきりはーとのけーきじゃん。
ん?なんでにこあるの?」
「翔とお前の分だよ。」
「えっ?ほんとに?りんのぶん?」
いぇーーい!!
にっこにこの顔してジャンプする凛。
「さとしは『できるこ』だとおもってたのよ。うんうん。」
「それは喜んでいいのか?」
「うん!さいこーのほめことばよ。」
そうか…じゃあ素直に受け取っておくぞ。
「イチゴ洗ってー。そっとキッチンペーパーで拭いて。」
「はいっ!」
飾り用と中に挟むやつと分けて…
「クリーム塗り終わったら切ったイチゴ置いていって。」
「はーい!」
うん、順調、順調。
クリームも絞るだけのを買ったから簡単、簡単…のはず…
うーん…塗るだけといっても…結構難しい…よ?
俺ってこんなに不器用だったっけ?
表面はデコボコ。絞り出したクリームは大きさがバラバラ。かろうじてイチゴの存在がケーキ感を醸し出している…。
うっ…ケーキの土台に写ってる写真とは全く違うシロモノが出来上がってしまった….
「…さとし。ちょっと…ちがうものができたね….
あ、でも、あいじょうたっぷりだから!
しょう、ぜったいよろこぶよ。」
「…うん、そうだといいな…」
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