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第2話
アンジェロに手を引かれて光はエレベーターを降りる。
「光が泊まってる部屋どこ?」
「そっち左の奥……ふふっ」
光は部屋に入る気満々のアンジェロに思わず吹き出してしまう。
「ん、どうしたの?」
「ううん、僕んとこ来るの?」
「え、入れてくれないの?」
「んーどうしようかな」
もったいぶった様子で答える光にアンジェロが近付いて自身の腕の中に誘い込む。
「えぇー意地悪だなぁ、ここまで来て逃がさないよ?」
ころころと喉で笑いながら耳元で冗談を言うアンジェロ。しかしその瞳の中には一筋の鋭い光が入り込んでいた。
彼が近付くと出会ったときは爽やかだった香りが彼自身のそれと混ざり合い光の鼻腔をくすぐる。
それはまるで、アンバーのような、甘さの中の官能を引きずり出す香りであった。
光はそれに酔いしれながらも歩みを止めない。
「ここが僕の部屋……カードキーどこだっけ」
もたもたしながらポケットからキーを取り出す。
ピッ
やっとのことで解錠。
ガチャ
ドアを開け中に入る光、後ろからアンジェロがまとわりつく布のように続く。彼は光の腕を引き、それ以上奥へと進むのを制止した。
振り返った光を抱き寄せて深いキスを再開する。
「んっ……んぅ、ぅ」
水音ととろりと舌にまとわりつくような音が混ざる。先ほど摘んだばかりの苺はつぶされ、砂糖を投入されていた。
「んぅ、はぁ……ふぅ、ん」
「悪い子だね、わざと焦らしてるの?」
「……ちがっ、ん」
光は否定しようとした。しかし、再び重ねられた唇から逃れられずふやけてしまう。絡み合う舌と舌のまぐわりあいにたまらずアンジェロの首に腕を回す。
だんだんと温度を上げ、煮詰めに入るこの瞬間がたまらない。
何もかも忘れさせてくれる甘いキス。
光の脳内にチラつくザラついた記憶が熱で溶かされていく。
「はぁ……キスは好き?」
「……ん、好き」
「もっとしてあげる」
彼の手が妙に発達した光の尻にぐっと掴みかかる。
「んんっ」
光はたまらず顎を仰け反らせ、震えをまとってアンジェロを受け入れたい衝動に喘いだ。
上を向く光。無防備に晒された首筋にかぷっと吸い付いたアンジェロの舌と前歯が肌にわずかに食い込む。
舌が大きく前に出て首筋を舐めあげながら、主張する。
(もっと中に入りたい。なかのなかまで舐めたい)
ぐいぐいと押し込んでくるアンジェロの責めに、光の身体はだんだんと形を保つのが難しくなってくる。彼の首に回した腕で必死に形を保とうとしていた。
しかし、
「おっと」
光の脚が崩れた。抱きとめるアンジェロの逞しい腕の力に、光はほっとして体重を預けた。
「そろそろベッドに移動する?」
「ん……シャワー、浴びたい」
「OK、バスルームはどこだい?」
「あっち……連れてって……」
光がそう言うと、アンジェロは腕に力を入れて光をいとも簡単に抱きかかえた。
「よっ」
姫のように。
ずんずんと奥へと進む。
ガチャ……
バスルームに入り、光を床に下ろす。
ノーカラーのツイードジャケットを脱がしにかかる。
アンジェロはそれを丁寧に畳み、洗面台に置いた。
その間離れてしまったアンジェロの体温が恋しくて、光は振り向いた彼の胸にぎゅっと抱きつく。
「ん? どうしたんだい?」
「捕まえた」
「ふふっ捕まった。可愛いな」
彼は光の髪を優しく撫でる。光はその手に顔を自ら擦りつける。
(会ったばかりなのに、いや、会ったばかりだからこそ甘えられるのかもしれない)
光は肉厚で大きなその手に癒されながら、思う。
しばらくそうしていたが、ふいに光がアンジェロの首に腕を回し抱きついた。
首筋に顔を埋める。
(彼の匂いを嗅いでいると安心する)
光がアンジェロの成熟した香りを堪能していたら、アンジェロが光の首にぶら下がる細身のネックレスに手をかけた。留め具を器用に外す姿に光は少し嫉妬する。
「慣れてるね」
「紳士のたしなみだよ」
少しふてくされ気味の光の頬にキスを落とす。あやすようにされて光はますます不機嫌そうにアンジェロの首に顔を埋める。
「ずっとこうしていたいけど、そろそろシャワー浴びたいな……脱がせてもいい?」
名残惜しげに光は身体を離す。
上から順に脱がされていく。
アンジェロも自らを纏っていた布を全て脱ぎ終えると光を連れて浴室へと入った。
シャー……
キュッ
アンジェロが脱衣所にかけてあったバスローブを光に着せる。
光の身体にまとわりついていた水分が吸われていく。
「また着せるの?」
少しむすっとした顔で光がたずねると、
「脱がせる楽しみがあるだろう?」
含みを持たせた笑いとともにアンジェロが言った。
「おいで、光」
キングサイズの広々としたベッドの端に腰かけるアンジェロ。彼に導かれて膝の上に光が座る。
「もっとリラックスして」
「アンジェロってなんか初めての子にするみたいに優しいね」
「僕はいつだって丁寧で優しいよ?」
「さっきいきなりキスしてきたのは誰?」
「えぇ、そんなことしたっけ?」
とぼけるアンジェロに向けて無言の抗議をして見せる。
「……」
「……戯言はこれくらいにして、そろそろ君を味わってもいいかい」
もちろん、という返事の代わりに光はキスをする。
だんだん深くなって二人してベッドに倒れ込む。
光が下になって覆い被さるようにアンジェロが上から口づけを繰り返していた。
唇、口の端、頬、首筋、鎖骨……徐々に核心へと向かってキスが進む。
光は彼の頭を抱え込んでただただ快感を迎え入れると時折狭所を責められて淡い声が漏れる。
バスローブの前を大きく開き、脇腹から滑る手。
お腹の下辺りまで滑らせるとそこに光の意識が一気に集まる。
ゆるく立ち上がりを見せていた光の性器にためらわず口を付ける。
熱い口のなかでぐちゅぐちゅと混ざり合う様子はまるでジャム瓶のなかに陰茎を突っ込んでオナニーしているみたいに窮屈感と甘い背徳感がある。
ピンっと尖った胸の突起は苺の敏感な部分であると、アンジェロは当然知っている。一番甘いそこを指で弄くり回す。
クリクリと指の腹が意志を持って動けば、苺は簡単に糖度を増すのである。
「んっんぅ……ぁあっ」
「乳首感じる?」
「ん……気持ちぃ」
「もっとしてあげる」
ペン先をカタチの良さを確かめるように何度も指先で弄れば、光はたまらないっといったように身体に力を入れる。硬くなった先端をクリクリと何度も行ったり来たりと指先で触れていたが、その速さはどんどん増してカリカリと引っ掻くような動きに変わっていく。
光は身体をよじりなんとか快感を逃そうとするが、腰をくねらせて脚を閉じようとするのでアンジェロに制止させられてしまった。
「後ろ、指入れるよ」
手元にあったジェルボトルから手早く中身をかける。それはまるで苺への練乳のサービスである。
ぬるぬるの手から一本、いや二本選びそれを光の口腔に充てがうと、入口のキツさを超えてなかへと侵入した。なかをぐにぐにとまさぐる指の動きに、胸の快感に気を取られていた光の意識がそちらへ移る。
しばらく蠢いていた指は腹側のある一点を見つける。そこに狙いを定めてとんとんっと叩けば上から嬌声が聞こえる。
「ああっ!! ぁあっぁあっんあ」
その甘いなき声にアンジェロは気をよくしてさらに同じところを責め立てた。指を折り曲げて何度も何度も刺激する。
光の声が上ずってきたところで、糸を引きながら指をなかから引き抜いた。
「光、後ろを向いて」
そう言われ、緩慢な動きで身体をひっくり返す光。
そのときカサカサとアルミのような擦れる音が聞こえて光のアナルがきゅっと閉まる。
アンジェロは片手がジェルで濡れているため唇に四角いアルミパッケージを挟むと、歯でいとも簡単に口を開ける。
中身を取り出しするりと自身の熱り勃ったペニスに装着した。
「入れるよ」
有無を言わさず充てられたペニスが光の下の口を割って入る。ゆっくりと、でも確かに前へと進む意志を持って入ってくる。コンドーム越しでも分かる熱さと硬さに光は思わずきゅっと締め付けてしまった。
「こら、まだ摘み取るには早いよ」
その言葉を聞いて素直に力を抜く光。アンジェロは何を思ったかいったん腰を後ろに引く、しかし次の瞬間ぐんっとなかの奥の天上を突くように押し入った。
「ああっ!!」
ベッドヘッドに手を掛けて、後ろから責め立てる男の圧に耐える。何度もグラインドし、なかを犯しにかかる太く硬い棒串。
動きは緩やかで、細かい。だが、確かなソコを突いて責める。
「光、ここ? ここが好き? ああ、きつく締まるね」
ぐちゅぐちゅっと音を立てて円を描くように掻き回されると、一瞬だけ動きが止まる。しかしすぐに、ずんっと重く進入される。小ぶりな苺にはその棒串は太すぎるらしい。
「ァア"ッ」
そのまま何度もぐんっぐんっぐんっぐんっと突き刺される、抜かれることなく何度も。
「ああ、逃げないで僕の胸においで」
グイッ
「ゥウンッ!!」
光の手はベッドヘッドにすがっていたところを剥がされて虚しく宙を舞う。
その腕ごと身体を引き付けられ羽交い締めにされたままお互いの下半身の距離をさらに縮められる
アンジェロがぐっと力を入れて、まだそんなにも残っていたのかと思うほどの茎長をずっぽりと根元まで突き入れる
「なっんでっ、そんなっおく、までっァアッ!!」
「ん? ごめんね、僕の、ちょっとばかり人より長さがあるんだ」
そういうとアンジェロは堪能するように腰をゆっくりと動かす。
光とアンジェロの身体はぴったりとくっつき、アンジェロの目の前に首を差し出すカタチになっていた。
彼が苺のヘタの根元にチュッチュッとキスを落とすたびに喰われる前の下処理をされている気分になる。
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