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秋の日の夜に 9
さくらside
「なぁ。かえで」
「何?」
「好き」
「はいはい」
「もう…冷たい…昔はさくらぁさくらぁって縋ってくれてたのに…さくらと一緒じゃなきゃ眠れないって毎晩泣いてさ。可愛かったな」
「いつの話だよ」
「ねえ。かえで…俺のこと好き?」
「お前…いい加減にしろ」
「えぇ?嫌い」
「嫌いじゃねぇけど…」
「じゃあ好きって言って」
「好きだよ…さくら」
ちゅっ…ちゅっ…
「んあっ…かえで…キスうまくなったね…気持ちいい…」
「お前が教え込んだんだろ」
「やっぱお前とのキスが一番気持ちいい…ねぇ…もっとして?」
「ったく…しょうがねぇな…」
何度も繰り返すキスがもう一度深くなっていく…
「かえで…もう一回…ヤろ?」
ひなの顔をお互い見ながら何度も交わった。
こんなの可笑しい…そんなのわかってるけど止められない…
出来れば俺たちの真ん中にひなを挟んで3人で抱き合いたい…二人とも大好きだから…
二人とも欲しいなんて…欲張りかな?
でもこれが紛れもない気持ちだから。
「愛してる…かえで…」
「ん…」
「ねぇ…ずっと側にいて?」
「嫌でも兄弟なんだから一生一緒だよ」
「ふふっ…さぁて。ベッド戻りますか」
ひなを挟んでかえでとは手を繋いだまま眠りに落ちた
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