584 / 690

秋の日の夜に 9

さくらside 「なぁ。かえで」 「何?」 「好き」 「はいはい」 「もう…冷たい…昔はさくらぁさくらぁって縋ってくれてたのに…さくらと一緒じゃなきゃ眠れないって毎晩泣いてさ。可愛かったな」 「いつの話だよ」 「ねえ。かえで…俺のこと好き?」 「お前…いい加減にしろ」 「えぇ?嫌い」 「嫌いじゃねぇけど…」 「じゃあ好きって言って」 「好きだよ…さくら」 ちゅっ…ちゅっ… 「んあっ…かえで…キスうまくなったね…気持ちいい…」 「お前が教え込んだんだろ」 「やっぱお前とのキスが一番気持ちいい…ねぇ…もっとして?」 「ったく…しょうがねぇな…」 何度も繰り返すキスがもう一度深くなっていく… 「かえで…もう一回…ヤろ?」 ひなの顔をお互い見ながら何度も交わった。 こんなの可笑しい…そんなのわかってるけど止められない… 出来れば俺たちの真ん中にひなを挟んで3人で抱き合いたい…二人とも大好きだから… 二人とも欲しいなんて…欲張りかな? でもこれが紛れもない気持ちだから。 「愛してる…かえで…」 「ん…」 「ねぇ…ずっと側にいて?」 「嫌でも兄弟なんだから一生一緒だよ」 「ふふっ…さぁて。ベッド戻りますか」 ひなを挟んでかえでとは手を繋いだまま眠りに落ちた

ともだちにシェアしよう!