611 / 690
そんなある日 24
さくらside
俺を抱き締めた人物…ひなだった…
最後に見たときより背が伸びて大人になった…
あーちゃんに良く似た顔とせいくんに良く似た体つき。
俺より小さかったひなはもう俺より背が高くなっていた。
その横には奥の部屋から出てきたかえでが微笑んでいた…
「さくら…久しぶり」
かえでとひな二人に抱き締められ動けない
「さくら…痩せたね…ご飯食べられてる?眠れてる?綺麗な顔が台無しだよ?ほら…目の下…クマできちゃってるじゃん」
笑顔はあの頃のままあどけない可愛らしい…
かえではただ黙って俺の髪で遊んでいた。
「な…ん…で…」
ここは芸能人専門の風俗店のはず…でもその知り合いの紹介状とそれなりの高い地位があればここを利用することは可能ではある。
「…あーちゃんが紹介状書いてくれたんだよ。あーちゃんクラスの人の紹介ならすんなり入れるんだ」
あーちゃんは世界でも活躍している俳優…不動の人気を誇る皆が目指す人…しかもあの華陵院グループだ。
断られる理由はない…だが…それなりの地位って…
「俺たち今会社経営してるんだ。出来てまだ新しいけど一応上場してる。世界的にも幅を効かせてるんだ」
「え?」
「さくらを迎えに行きたくて俺たちは二人で会社を作ったんだ。やっと…大人になってやっと迎えに来る準備が出来たよ。一緒に帰ろ?」
ともだちにシェアしよう!