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そんなある日 25
さくらはいくらか痩せあんなに大きかった背中はとても小さくて。
小刻みに震えるさくらが堪らなく苦しくて…
どんな思いでここにいたのだろう…
「さくら…俺たちと一緒に帰ろ?」
「やだ!!帰んない!離して!」
拒絶…いや…違う…きっと強い自分じゃないことを気にしてる。弱い自分じゃ側にいることは出来ないって思っているはず…
さくらはいつも頑張ってたってかえでが言っていた。
俺はさくらのそんなところには気付けなくてさくらは元から完璧な人だってずっと思っててさくらに甘えっぱなしだった。
だからさくらは俺たちに弱味なんて見せられなくて自分で自分を戒めて…
そして壊れてしまった…
もう大丈夫…俺たちが今度は甘えさせて受け止める番。
大丈夫だよそんな思いを持ちながらさくらを抱き締め続けた
「離して!離してっていってるだろ!何なんだよ。俺言ったよな?遊びだったって!」
その言葉に俺はそれ以上声を掛けられなかった。
今はダメだ…一旦出直して来ないとならない…冷静でいられない…
「…わかった…会いに来てごめん…かえで帰ろ?」
かえでも察したのだろう1つ頷いた
「さくら。ごめんな。急に来て。じゃあな」
かえでと並びさくらに背を向けた
さくら…必ず迎えに来るからね…
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