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そんなある日 27

かえでside さくらは子供のように泣きわめく。 それは初めてみる姿でとても苦しかった もっと俺たちが頼れるくらい強かったなら… こんなに思い詰める前に何かしてやれたんじゃないだろうか…? さくら…頑張ったね。 さくらが落ち着くまで二人で抱き締めて何度もキスを繰り返した。 時折奇声を発しながら…逃れようと藻掻きながら…壊れたおもちゃのように繰り返す 「さくら…さくら…大好きだよ…」 「やぁだ…俺は…も…やだ…えっ…ぐっ…ひなぁ…かえでぇ…」 「さくら…。ごめんね。大好きなんだ…ごめんね」 「俺も…俺も…好き…大好きだよ…二人が…大好き…」 「うん…うん…大好き…もう…放したくない…」 「いやだぁ…だめだもん…おれはぁ…もう…お前らの知ってる俺じゃないもん…たくさんの人と沢山エッチしてきて…もう…前より綺麗じゃないもん…年も取ったし…」 「ばかか?さくら。お前は昔からヤリチンだっただろ?今更だし。それでも俺たちはお前のこと好きで離れたくないの!わかれよ!このポンコツ!変態!」 「ひどいぃ…かえでぇ」 「五月蠅い。大人しく俺たちに抱かれとけ。ばぁか。お前のことが堪らなく好きなんだよ。10年待ったよ!まだ待たせる気?」 「…やだ…一緒に帰りたい…二人といたい…」 「やっと言ってくれた…さくら。一緒に帰ろうね…」 漸く落ち着き、抱き締めていたさくらをそっと離した 「でも…まだ帰れない」 「え?どうして?」

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