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新たな旅路 5
「こんにちは。撫子」
相馬さんに声をかけられる。相馬さんは華陵院さんの旦那さんでデザイナー。母とも顔見知りだ
「こんにちは」
挨拶していたら隣から名を呼ばれる
「撫子…なーちゃん!」
なーちゃん?は?
「え?え?何?え?」
「なーちゃん!好き!」
「あ…美陸…撫子に…」
「一目惚れだね…」
嫌な予感が的中する…これまで僕に告白してきた男たちの目と同じだったから…本当に…やだ…あんなにも会いたかったのに…会わなければよかった…
「あ…あの…僕男です…」
「え?そうなの?」
やっぱり…女の子と間違われてた…どうみても今日は男物のスーツなのに…
「なので…好きとか…言われても…あ。別に偏見とかはないんですよ?うちの両親も男同士ですし。でも僕は…ごめんなさい!女の子が好きです」
偏見なんて持ったことはない。両親の仲の良さは知ってるしこんな夫夫に憧れてるのも事実。でも僕は女の子とこんな風になりたい…なのに…
「それなのに…僕は…男の子に告白されてしまう…」
「…」
美陸さんも綺麗だから身に覚えがあるでしょ?
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