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新たな旅路 26

「五月蠅い…」 照れ隠しにひどいことをいってしまう…ごめんね… 不思議そうな顔をしてキスを受け入れる美陸… 「な…ちゃ…」 「美陸…」 「なーちゃん」 「美陸…呼ばないで…そんな声で…そんな顔で呼ばないで…」 「…ごめんなさい…」 そんな悲しそうな顔しないで…勘違いしちゃうから… 「ごめん…」 綺麗にした美陸をまた横抱きにしてソファーに運んでもう一度キスをする 「シーツ取り替えてくるから少し待っていて?」 「…ん」 大人しく首肯く美陸を撫でて急いでシーツを取り替えて洗濯機に放り込んで… 「美陸。お待たせ」 「なーちゃん…俺帰るよ…」 「だめ…」 「え?」 「帰らないで…美陸…」 「…どうして?」 「美陸は帰りたい?どうしても?それなら送る」 「…俺は…」 「…うん」 「なーちゃんと…離れたくない…でも…なーちゃん…怒ってる…だって苦手な俺と無理矢理やっちゃったもんね?」 「…怒ってないよ」 「…怒ってない?呆れてるの?」 「それも違う。美陸はさ…助け出したのが僕じゃなくても…こんな風に…求めてたでしょ?」 「え?」 「たまたま助けたのが僕だったから…仕方なく…でしょ?…美陸こそ…嫌だったんじゃない?薬抜けたら…相手は僕だったから…」 「…なーちゃん?あの…」 「…ごめ…今の…」 「なーちゃ…」 「ごめん…今だけこうさせて…少しでいいから…」 美陸を抱き締め細い肩に顔を埋める 美陸…誰のものにもならないで…好きなんだ…

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