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新たな旅路 27
美陸side
なんだか…なーちゃんの様子がおかしい…
どうしたのかな?どうしてそんなに苦しそうに顔を歪めるの?やっぱり俺のこと嫌い?
薬飲まされて…身体中が熱くて…でも…好きでもない人に触られるのは嫌で…
でも体が追い付いてくれなくて…意識なくして…
このあと何かされた?わかんない…
…目が覚めると服を着たままの俺の隣にはなーちゃんがいて…
なーちゃんに見られているだけでもっともっと体が熱くなって…薬のせいにして…俺のこと苦手ななーちゃんを求めた…
これが最初で最後でいいから…なーちゃんに抱いて欲しかった…
その邪な想いがなーちゃんに通じたのかな?…
俺…なーちゃんが好き…
最中に本当は薬なんて抜けてた…でも…なーちゃんが欲しくて…何度も何度も求めてたら…なーちゃんも答えてくれた…だから…少し勘違いした…
もしかしたらなーちゃんは俺のこと好きかもしれないって…だって…名前を呼んだら…切なそうに…
「…呼ばないで…そんな声で…そんな顔で呼ばないで…」
なんて言うから…でも単純に呼ばれたのが気持ち悪かったのかもしれない…だから
「…ごめんなさい…」
謝った。謝ると泣きそうな顔でこっちを見る…やっぱり…男の俺じゃダメなんだ…
「ごめん…」
落ち込んでたら突然横抱きにされてソファーに運ばれた。何事かとおとなしくしてたらもう一度キスをされた…それはそれは優しいキス…
やだ…もっと好きになっちゃう…そんなこと…されちゃったら…
「シーツ取り替えてくるから少し待っていて?」
戸惑いながら…
「…ん」
首肯くと頭を優しい手つきで撫でてくれて寝室へ消えていった。ばたばたと忙しく動きながら洗濯機の電源を押したっぽい。
気持ち悪いよね?好きでもない同じ男の白濁があんなに溢れてたら…
「美陸。お待たせ」
また苦しそうな顔…もう見ていられなくて…
「なーちゃん…俺帰るよ…」
帰るから…明日からまた元の美陸に戻るから…
「だめ…」
「え?」
なーちゃんの表情が見えないよ…
どういうこと?
「帰らないで…美陸…」
「…どうして?」
ここにいていいの?心配だから?
「美陸は帰りたい?どうしても?それなら送る」
「…俺は…」
一緒にいたいよ…ずっとずっと…なーちゃんの隣に…誰よりも近くにいたいよ…かーくんよりももっと近くに…
「…うん」
「なーちゃんと…離れたくない…でも…なーちゃん…怒ってる…だって苦手な俺と無理矢理やっちゃったもんね?」
心の声が全部出ちゃってたみたい…言うつもりなんて無かったのに
「…怒ってないよ」
「…怒ってない?呆れてるの?」
そうなの?だからそんな顔するの?
「それも違う。美陸はさ…助け出したのが僕じゃなくても…こんな風に…求めてたでしょ?」
「え?」
そんなの…必死で抵抗したよ?出来る限りの力で…そのあと敵わなくてそうされていたかもしれないけど…でも…隣にいたのがなーちゃんだったから…俺は…求めたのに…どうしてそんなこと言うの?
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