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新たな旅路 28
美陸side
「たまたま助けたのが僕だったから…仕方なく…でしょ?…美陸こそ…嫌だったんじゃない?薬抜けたら…相手は僕だったから…」
「…なーちゃん?あの…」
違うよ。違う…なーちゃんがいいんだよ…その言い方はダメだよ…勘違いしちゃうよ…
「…ごめ…今の…」
「なーちゃ…」
「ごめん…今だけこうさせて…少しでいいから…」
俺を抱き締め肩に顔を埋めるなーちゃんの鼓動が伝わってくる…トクトクトクトク…少し早い…
「なーちゃん…あの…」
「…」
「なーちゃん…俺ね…俺…なーちゃんのこと好き…誰よりも側にいたい…抱かれたのは薬のせいじゃない…薬のせいにして…大好きななーちゃんに…一度でいいから…抱かれたかった…ごめんなさい…気持ち悪いよね…?なーちゃんは女の子が好きなのに…ごめんなさい…もう…求めないから…諦めるから…もう…近付かないから…だから…」
本当はずっと側にいたいけど…
「美陸…」
やっぱり…苦しいけど…でもなーちゃんを困らせたくない…だから…頑張って…離れるから…今だけ…この瞬間だけ…抱き締めさせて
なーちゃんを抱き締める。やってるときから思ってたけどなーちゃんは着痩せするんだね。筋肉しっかりついてて男らしい体してて…羨ましい…
可愛い顔に似合わず男らしい体つきに男らしい表情に…もう…どっぷりはまってた…
こんなの叶わない恋なのにね…なーちゃん…ごめんね…好きになって…ごめんね…
ダメだな…涙が止まらないよ…
「美陸…あのさ…」
「わかってるよ…だから…今だけ…ごめん」
「美陸…」
「ごめん…」
「美陸…聞いて…」
聞きたくない…でも…聞かなきゃ…ちゃんとフラれなくちゃ…
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