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新たな旅路 29
「なーちゃん…俺ね…俺…なーちゃんのこと好き…誰よりも側にいたい…抱かれたのは薬のせいじゃない…薬のせいにして…大好きななーちゃんに…一度でいいから…抱かれたかった…ごめんなさい…気持ち悪いよね…?なーちゃんは女の子が好きなのに…ごめんなさい…もう…求めないから…諦めるから…もう…近付かないから…だから…」
切実に訴えてくる美陸の声を静かに聞いてた…
「美陸…」
涙を溢しながら僕を抱き締めてきた美陸の華奢な体。止まらない涙に目を奪われて胸が軋む…
「美陸…あのさ…」
「わかってるよ…だから…今だけ…ごめん」
「美陸…」
「ごめん…」
「美陸…聞いて…」
恐る恐る顔をあげた美陸にキスをする
「美陸…本当に薬のせいじゃない?」
無言で頷く
「僕じゃなかったらどうしてた?」
「必死で抵抗したよ…でも…力入んないし最終的には結局抱かれてしまってたかもしれないけど…」
「僕だから自ら?」
「そうだよ…一度でいいから…なーちゃんと…繋がりたかった…」
「そう…」
「ごめんなさい…」
「ねぇ。美陸。今薬抜けてる?」
「うん…」
確認して美陸をベッドへ押し倒しキスをする
「なーちゃん…」
「じゃあさ…その状態で僕が抱きたいって言ったら?」
「へ?…」
「順番めちゃくちゃになっちゃったけど…僕も…美陸が好き…これからも側にいたいし…体だって繋がりたい…好きなんだ…」
「う…そ…」
「本当に…自分でも驚くほど美陸に捕らわれちゃった…だから…責任とって。僕を受け入れて?」
「いいの?俺…男だよ?」
「美陸がいい」
「女の子みたいに柔らかくないし…なーちゃんと同じのついてるよ?」
「うん。美陸がいいよ」
「それに…それに…俺…すっごく汚れちゃってるよ?」
「汚れてないよ。美陸は綺麗だよ。」
「でも…でも…」
「美陸。僕のこと好き?」
「好き!!なーちゃんが好き!!」
「だったら僕のものになって?これからは誰にも触らせないで。僕の恋人になって?」
「うん!」
「抱いていい?」
覚えたての動物みたいで凄く浅ましいけど早く美陸を安心させてあげたいから…だから…
「僕を受け入れて?」
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